
クリニックを開業した際に気になるのは、毎日の患者数や売上ではないでしょうか。スタッフへの給与、光熱費、設備費などさまざまな費用が発生するため、クリニックの経営には売上が必要です。本記事では、クリニックの売上を伸ばすにはどのような工夫が必要なのか解説します。売上に伸び悩んでいる場合は、ぜひ参考にしてください。
クリニックの運営に必要な売上とは?
クリニックを運営していくには、どれくらいの売上が必要なのでしょうか。売上が伸び悩んでいる場合は、以下のポイントをおさえ、売上アップについて考えてみましょう。
平均売上を参考にしてみる
統計庁の調査、医療経済実態調査(2019年)では個人のクリニックの売上は月の売上が約650万円となっています。診療科目は、美容外科や眼科の売上が高い傾向です。
診療科目、クリニックの規模や立地、サービス内容などについて売上が変わってきます。そのため、同じような診療科目、規模のクリニックなどの情報も参考にするとよいでしょう。
状況に応じた変更が必要
クリニックを開業してしばらく売上が順調にあったとしても、油断してはいけません。近隣に新しいクリニックが開業したり、近隣のクリニックが新しいサービスを拡充したりすれば、患者がほかのクリニックに流れてしまうかもしれません。
そのため、売上が伸び悩んでしまったらクリニックの診療体制やサービス内容を見直すなど、患者のニーズに合わせた対応が求められます。売上で毎月の費用をまかなうのはもちろん、サービス拡充ができるように売上をプールして置ければ安心です。
クリニックの売上を増やす具体的な方法
クリニックの売上を増やすには、具体的にどのような工夫を凝らせばよいのでしょうか。売上に伸び悩んでいる場合は、以下のようなさまざまな対策を試みてみましょう。
集患戦略を立てる
クリニックの売上高は、患者がたくさん来院してくれるかにかかっています。新しいクリニックで清潔感があり、最新の設備があったとしても、治療を受ける患者が来なければ売上は発生しません。
まずは、患者を増やすことを目指して戦略を立てましょう。宣伝を強化する、患者のリピート率アップに努める、待ち時間を減らすなど、クリニックの弱い部分を減らせるような工夫を行いましょう。
新規患者を増やす
開業したばかりのクリニックが売上を伸ばすためには、新規患者を増やす必要があります。とくに新しいクリニックは、地域の方に周知されていない場合があります。看板を増やす、チラシを配布する、Webサイトを活用するなどして、新規患者の獲得を目指しましょう。
リピーターを増やす
クリニックを安定して経営していくには、毎月コンスタントに売上をあげる必要があります。そのため、新規患者を増やすだけでなく、リピーターを増やすこともクリニック経営には重要です。新規患者をリピーターにするためには、質の高い医療の提供だけでは足りません。
ていねいなコミュニケーションやアフターフォローを心がける、検診や予防接種の案内を行う、次回予約を取るなどの取り組みを積極的に行いましょう。
クリニックの売上アップのために効果的なWeb戦略
近年はクリニックを探す場合、インターネットを使う方が多いでしょう。そのため、Webを活用した戦略がとても重要です。
ホームページ作成に力を入れる
患者が新しいクリニックを探す際にチェックするのが、ホームページです。ホームページをとりあえずつくっただけでは、ホームページが目にとまらない可能性が高いです。ほかのクリニックに患者が流れないためには、せっかく来訪してくれたホームページを魅力的なものにする必要があります。
ホームページ制作会社に依頼し、見やすくわかりやすいホームページ制作を行う、SEO対策会社に依頼し、SEO対策を行って検索結果の上位に表示されるようにするなど工夫しましょう。
SNSを活用する
ホームページ以外にも、SNSを活用して情報発信をするのもよいでしょう。SNSでは写真や動画などを活用しやすいので、待合室やスタッフの様子などの日常を発信するなどしてみてはいかがでしょうか。
ホームページにはない情報を掲載することで、SNSからの集患を期待できます。SNSは、費用をかけずに気軽にはじめられる点もおすすめです。
予約システムを導入する
スマートフォンやパソコンで、クリニックのオンライン予約をできるようにするのもおすすめです。そうすることで、予約なしで長時間待ち時間が発生するのが嫌だと感じる方、電話での予約が嫌だと感じる方などでも予約がしやすいので集患率アップにつながるでしょう。
また、予約日時が空いていれば患者は気軽に予約できる、クリニック側も予約の電話の受電数を減らせるといったメリットがあります。予約だけでなく、待ち時間の表示なども導入することで、患者の受診時のストレスや負担が減らせます。
まとめ
クリニックには、患者に医療を提供するという大きな意義があります。しかし、慈善事業ではないたため、経費や売上をしっかり計算して安定した経営を目指す必要があります。売上が伸びない場合は、何らかの工夫を凝らす必要があるでしょう。近年は、多くの方がインターネットを使ってクリニックの情報を得ています。そのため、ホームページの改善、SNSの活用、オンライン予約の導入などから検討してはいかがでしょうか。オフラインの面では患者の満足度をアップさせるため、ていねいな診察やアフターフォロー、次回予約を促すなどしてみるのもよいでしょう。